睫毛貧毛症の治療が始まりました

2014年9月に睫毛貧毛症(しょうもうひんもうしょう)の治療薬であるグラッシュビスタ外用薬剤が販売になりました。
この薬は、上まつ毛の長さ、太さ、濃さを改善するお薬です(毛包の存在しない場合、効果はほとんどありません)。睫毛貧毛症とは、“まつ毛が不十分である又は物足りない”ことを特徴とする疾患です。その原因は、加齢などによる特発性や薬剤誘発性の脱毛症などが考えられます。

グラッシュビスタ外用薬剤

日本におけるグラッシュビスタ外用液剤の臨床試験では、特発生睫毛貧毛症および化学療法等における睫毛貧毛症の成人患者に、グラッシュビスタを4ヶ月間使用したところ、それぞれの患者において、評価スケルーで1段階以上の改善が77.3%、および88.9%の割合で認められました。 グラッシュビスタ外用液の有効成分はビマトプロストで、1ml中に0.3mgが含有されているトータル5ml(70日分)の無色透明の液体です。

使い方は、化粧を落として片目ごとに、1日に1回夜に1滴を、添付されている専用ブラシ(140本添付)に滴下して上まつ毛の生え際に塗布します。その時、使用したブラシは破棄し、片目ごとに新しいブラシを使用して下さい。 使用中の注意点としては、塗布時、薬液が上まつ毛以外についた場合は、ティッシュなど吸収性のよい素材で、すぐに拭き取り、洗い流して下さい。 コンタクトレンズを使用している方は、コンタクトレンズを外してから塗布し、15分以上経過してからレンズを装着して下さい。
また、1日に2回以上及び1回に2滴以上塗布したりしてはいけません。(頻繁に塗布しても効果は同じです。)また、妊婦やその可能性がある人、授乳中の人は使用を避けて下さい。 副作用は、メラニン増加によるまぶたの黒ずみ、目の周りが多毛になったりする場合もあります。 これらは、使用中止により元に戻る可能性があります。これらの副作用を防ぐためにも、塗布後は目の周りについた薬をよく拭くか洗顔をするようにして下さい。

他に大きな副作用として、黒目の部分が濃くなる紅彩色素過剰、まぶたがくぼむ眼瞼溝深化があります。このむ眼瞼溝深化に関しては、日本人を対象とした臨床試験では、今のところ報告はないようです。このような症状が出現した場合、ただちに医師または薬剤師に相談してください。 詳しくは、等クリニック窓口または診察室でお訪ねください。