ニキビができたら

暖冬かと思い日々生活をしていたら、いきなりの爆弾低気圧で、“ビックリポン”ですが、みなさんの皮膚の状態はいかがでしょうか?今回は、ニキビ(尋常性座瘡)についてのお話です。

ニキビの症状

  1. 面皰(コメド)毛穴に古い角質がつまり角栓ができ、毛穴が閉塞した所に、ホルモンバランスの影響で皮脂の分泌量が増加などし、その皮脂が毛穴にたまって『面皰(コメド)』が形成されます。
    皮脂を好み酸素を嫌うアクネ菌にとっては、増殖するのに好都合の場所です。
  2. 紅色丘疹・膿疱・毛穴の中で増殖したアクネ菌は、炎症を起こす物質を作ります。そして、炎症が起こると、ニキビは赤く丘状に盛り上がって『紅色丘疹』となります。更に時間が経つと、膿がたまり『膿疱』に移行します。
  3. 硬結・嚢腫・膿疱を放置していると、炎症が拡大し毛穴が破壊されて、皮下に膿の袋、いわゆる『嚢腫』に、さらに硬く盛り上がる『硬結』になります。

ニキビの原因

上記したように、ニキビは毛穴に皮脂がたまってできます。思春期ニキビは、性ホルモンの働きが活発になり、皮脂分泌の亢進によりできますが、20代からの大人のニキビは以下のような原因が考えられます。

  • 皮膚のバリア機能の低下
  • 間違ったスキンケア
  • 不規則な生活
  • 月経前やストレスなどのホルモンバランスのみだれ
  • 便秘…etc

ニキビの治療

ニキビができたらどうしたらいいか?症状に応じて適切な治療がありますので、自己判断による処置はせず、我々皮膚科医の指示に従いましょう。
ただし、治療の効果が出るまでの期間は、個人差があります。

急性期の治療

面皰が主体の時は、毛穴の閉塞を改善する薬剤が用いられます。
<治療薬剤>
アダパレン(外用薬)
過酸化ベンゾイル(外用薬)

紅色丘疹や膿疱が主体の時は、毛穴の中で増殖したアクネ菌が炎症を起こしているので、アクネ菌の増殖を抑える薬剤や、炎症を抑える薬剤が用いられます。
<治療薬剤>
アダパイン(外用薬)
過酸化ベンゾイル(外用薬)
抗菌剤(外用薬や適宜内服薬)

寛解維持期

目に見えない微小面皰や面皰を抑えることで、紅色丘疹の移行するのを抑えます。
<治療薬剤>
アダパレン(外用薬)
過酸化ベンゾイル(外用薬)
※アダパレンや過酸化ベンゾイルは、刺激感や乾燥等を訴える方が時々みられますので、徐々に外用範囲を広げると良いでしょう。

生活上の注意点

洗顔は余分な皮脂を除去し、皮膚を清潔に保つのに必要であります。我々は1日2回の洗顔料を用いた洗顔を推奨しております。基礎化粧品はノンコメドジェニックまたはハイポコメドジェニックと記載された面皰形成試験を行なっているものが望ましいでしょう。メイクアップのポイントとして、毛穴を塞がないように厚化粧を避けて、ニキビから視線をそらす目的で、リップメイクを強調しましよう。食事については、特別な食事制限がニキビを改善したり、悪化させたりという根拠はありません。ピーナッツやチョコレートなど特定の食べ物でニキビが悪化した経験があるなら避けた方が良いかもしれませんが、常にこれらを避ける必要もないと思います。
1日3回バランスの良い食事を心がけ、間食を極力避けていきましょう。
その他、ニキビをよく触る人がいますが、炎症を拡大させるばかりでなく、面皰形成の誘因なることから、ニキビを不用意に触らないようにしましょう。また、ストレスや睡眠不足を、悪化因子に上げる患者さんは多いと思います。ですから、十分な睡眠をとり、ストレスや疲れをためないよう、趣味や適度な運動、自分なりのリラック法でストレスの少ない生活を送りましょう。